鳥海ダムの目的 – 治水

ゲリラ豪雨・線状降水帯など河川の洪水・氾濫対策

子吉川と鳥海ダム
Koyoshikawa and Chokai Dam

秋田県南西部を流れる子吉川は、鳥海山の豊富な雪解け水を集め、日本海へと注ぐ一級河川です。春から初夏にかけては雪解け水や梅雨の大雨により水量が急増し、これまで幾度も流域に被害をもたらしてきました。その治水対策の要として建設されたのが、鳥海ダムです。

鳥海ダムの目的 治水

子吉川

近年、気候変動の影響により、洪水を引き起こす恐れのある大雨が全国各地で頻発しています。特に、同じ地域に長時間にわたり激しい雨をもたらす線状降水帯や、短時間で局地的に大量の雨が降るゲリラ豪富(ゲリラ豪雨)は、河川の急激な増水や氾濫を招き、私たちの暮らしに大きな被害をもたらす要因となっています。

鳥海ダムは、こうした異常気象による急激な出水に備え、洪水時に川へ流れ込む水を一時的に貯留することで、下流河川の水位上昇を抑え、洪水被害の軽減を図ることを目的としています。大雨の際にはダムが水を受け止め、河川への流出量を調整することで、流域の安全を確保します。

このように鳥海ダムは、線状降水帯やゲリラ豪富といった近年増加する自然災害に対応し、地域の命と財産を守る重要な治水施設としての役割を担っています。

子吉川氾濫の歴史

子吉川は古くから由利本荘地域の暮らしを支えてきた一方で、流域では繰り返し氾濫による水害が発生してきました。その歴史は、地域が自然と向き合いながら歩んできた記録でもあります。

S47.7子吉川(救助を受ける住民)S47.7子吉川(救助を受ける住民)
出典:国土交通省東北地方整備局ホームページ

昭和47年(1972年)7月洪水

7日早朝から前線の影響で子吉川流域に雨が降り始め、夜にかけて次第に強まりました。前線は東北地方北部に停滞し、8日夜には再び激しい雨となりました。流域では総雨量が193mmに達し、川の水位は急上昇。9日朝には観測史上でも高い水位を記録し、各地で堤防が決壊しました。人的被害はなかったものの、家屋の浸水や倒壊など、地域に大きな被害をもたらしました。

S55.4子吉川左支川大沢川(はん濫による市街地の浸水)S55.4子吉川左支川大沢川(はん濫による市街地の浸水)
出典:国土交通省東北地方整備局ホームページ

昭和55年(1980年)4月洪水

日本海中部で発達した低気圧が東北地方へ進み、4月6日未明から秋田県内全域で雨が降り始めました。山間部では融雪も重なり、子吉川は急激に増水しました。雨量は100mm以下だったものの、二十六木橋では観測史上最高となる水位6.40mを記録しました。旧本荘市と旧由利町では水害対策本部を設置し、住民に避難命令が出されました。これにより、家屋の浸水などの被害が発生しました。

H23.6子吉川及び右支川石沢川(はん濫状況)H23.6子吉川及び右支川石沢川(はん濫状況)
出典:国土交通省東北地方整備局ホームページ

平成23年(2011年)6月洪水

6月22日、梅雨前線が東北地方に停滞し、24日には前線上の低気圧が接近しました。南から暖かく湿った空気が流れ込み、前線の活動が活発化したことで、22日から24日にかけて秋田県を中心に記録的な大雨となりました。子吉川流域では大清水観測所で総雨量503mmを観測するなど、各地で非常に多い雨量を記録し、6か所の水位観測所のうち4か所で計画高水位を超える、重大な洪水が発生しました。

近年の線状降水帯による豪雨

近年では、気候変動の影響により、災害の様相がさらに変化しています。
令和5年(2023年)7月には、秋田県内で線状降水帯が発生し、記録的な大雨となりました。子吉川流域でも河川水位が上昇し、再び浸水被害が発生するなど、洪水リスクの高まりが現実のものとなりました。

このように、子吉川の氾濫の歴史は、時代とともに形を変えながら繰り返されてきました。特に近年は、線状降水帯やゲリラ豪富といった想定を超える降雨が増加しており、流域全体でのさらなる治水対策が強く求められています。

こうした過去の水害の教訓を踏まえ、地域の安全を将来にわたって守るために、鳥海ダムをはじめとする総合的な治水の取り組みが進められています。

鳥海ダムの目的
Purpose

鳥海ダムは、水の恵みを活かしながら、自然と人が共に歩む未来を目指しています。
防災、生活、エネルギー、環境のすべてを支える、地域の基盤となるダムです。

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